動画生成AIとモデル
スタジオ「ビデオ」の生成タブと絵コンテ(「エージェントと生成」タブ)で動画を作るとき、どのAI(ベンダー)の、どのモデルを使うかを2段で選びます。ここでは選択肢の違いと、**モデルごとに違う「参照画像(手本)の渡し方」**を説明します。
重要
比率・尺・解像度・参照画像の枚数は、ベンダーではなくモデルで決まります。 同じ Seedance でも 2.0 は参照9枚で尺 4〜15秒、2.5 は参照30枚で 4〜30秒です。同じ Veo でも 3.1 は参照3枚、Lite は参照を受け取れません。「Seedance だから◯◯」という覚え方はできません。
選べるモデル
| ベンダー | モデル | 参照画像 | 尺(秒) | 比率 | 解像度 | 音 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Seedance | Seedance 2.0(既定) | 1〜9枚 | 4〜15 | 7種+自動 | — | あり |
| Seedance | Seedance 2.5 | 1〜30枚 | 4〜30 | 7種+自動 | — | あり |
| Gemini | Veo 3.1(既定) | 最大3枚 | 4 / 6 / 8 | 16:9 / 9:16 | — | あり |
| Gemini | Veo 3.1 Fast | 最大3枚 | 4 / 6 / 8 | 16:9 / 9:16 | — | あり |
| Gemini | Veo 3.1 Lite | なし | 4 / 6 / 8 | 16:9 / 9:16 | — | あり |
| Gemini | Veo 3(非推奨) | なし | 4 / 6 / 8 | 16:9 / 9:16 | — | あり |
| MiniMax | MiniMax H3(既定) | 1〜9枚 | 4〜15 | 7種+自動 | 768P / 2K | あり |
| MiniMax | MiniMax H3 Max | なし | 5〜15 | 7種+自動 | 480P / 768P | あり |
「7種+自動」は 16:9 / 9:16 / 1:1 / 4:3 / 3:4 / 21:9 と自動(元画像に合わせる)です。Veo は正方形も自動もありません。すべてのモデルが音を作ります。
注意
音を作らない Seedance 1.0 pro と Hailuo 02 は使用終了しました(0.534.0〜)。 セリフも効果音も動画の中にしかない作り(ショートドラマ風など)が主戦場になり、無音の生成物は課金しただけで使えないためです(生成したカットの声からカットの秒を測り直す機能も効きません)。選択肢に出さず、名指しで送っても断ります。過去に作った動画・絵コンテはそのまま開けます(作り直しやまとめて生成は、そのベンダーのいまの既定モデルで走ります)。
ヒント
画面には、選んだモデルで実際に送れる値だけが出ます。ベンダーを変えたときにモデルや比率が合わなくなったら、そのモデルで使える値へ自動で寄ります(送ってから弾かれることはありません)。
1コマ目と参照画像は別のもの
画像の渡し方は2種類あり、役割がまったく違います。
| 何をするか | 使いどころ | |
|---|---|---|
| 1コマ目 | その絵から動き出す。最初のフレームがその画像で固定される | カットの起点の絵 |
| 参照画像(手本) | 画面に映すものではなく、人物・画づくり・流れを合わせるための手本 | キャラクターシート、コマ割り |
生成タブの @ メンションで挿す画像は**1コマ目(1枚だけ)**です。参照画像の複数枚は、絵コンテから自動で渡されます。
早見表 — 1コマ目と絵コンテ参照の可否
| ベンダー | モデル | 1コマ目 | 絵コンテの参照 (コマ割り・シート) | 1コマ目と参照の併用 | 画像の合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| Seedance | Seedance 2.0(既定) | ○ ※1 | ○ 8枚まで | 参照の枠を共有 | 9枚 |
| Seedance | Seedance 2.5 | ○ ※1 | ○ 29枚まで | 参照の枠を共有 | 30枚 |
| Gemini | Veo 3.1(既定) | ○ | ○ 3枚まで | ○ 別の枠で同時に ※2 | 4枚 |
| Gemini | Veo 3.1 Fast | ○ | ○ 3枚まで | ○ 別の枠で同時に ※2 | 4枚 |
| Gemini | Veo 3.1 Lite | ○ | ✕ | — | 1枚 |
| Gemini | Veo 3(非推奨) | ○ | ✕ | — | 1枚 |
| MiniMax | MiniMax H3(既定) | △ ※3 | ○ 8枚まで | 参照の枠を共有 | 9枚 |
| MiniMax | MiniMax H3 Max | ○ | ✕ | — | 1枚 |
- ※1 1コマ目も参照として送り、
@Image1 = 1コマ目(この絵から動き出す)とプロンプトで名指しします(Seedance 公式が案内している方法)。そのぶん手本に使える枚数が1枚減ります。 - ※2 1コマ目と参照を別のフィールドで同時に送れる唯一のモデルです。ただし参照を使うと尺は8秒に固定されます。
- ※3 参照モードでは1コマ目と混ぜられず、Seedance のような名指しの仕組みもないため、1コマ目の固定は効きにくくなります。
「絵コンテの参照」の枚数は1コマ目を渡したときの残りです。コマ割り → キャラクターシートの順に入り、超えたぶんは後ろから切ります(コマ割りが優先されます)。
ヒント
✕ のモデルを選ぶと、絵コンテのコマ割り・キャラクターシートは渡されません(送っても媒体側で弾かれるため、そもそも積みません)。人物の見た目を揃えたいカットでは ○ のモデルを選んでください。
モデルごとの参照画像の渡し方
ここがモデルによって3通りに分かれます。
A. Seedance 2.0 / 2.5 — 全部を参照として渡し、1コマ目は言葉で指定
Seedance は「1コマ目モード」「首尾フレームモード」「参照モード」が排他で、混ぜられません。そのため参照画像を1枚でも使うときは、1コマ目にしたい絵も含めて全部を参照として送り、「この絵から動き出す」という役割をプロンプトの文章で伝えます。
これは回避策ではなく、Seedance の公式ドキュメントが案内している方法です。プロンプトの末尾には次のような文が自動で足されます。
【参照素材】
@Image1 = 1コマ目(この絵から動き出す)
@Image2 = コマ割り(時刻順の流れ)
@Image3 = ハルの設定画(顔と衣装を保つ)
参照画像は手本です。画面にそのまま映さないでください。
@Image1 の番号は渡した順に対応します。Seedance はこの名指しを読めるので、素材ごとに役割を指定できます。
1コマ目も参照の枠を1つ使うので、Seedance 2.0(上限9枚)で1コマ目を渡すと、手本に使えるのは残り8枚です。
B. Veo 3.1 / 3.1 Fast — 1コマ目と参照を別々に渡せる
Veo だけは image(1コマ目)と referenceImages(参照・最大3枚)を同じリクエストで併用できます。1コマ目は固定されたまま、参照で人物や画づくりを合わせられます。
注意
参照画像を使うと、尺は8秒に固定されます。 Veo の公式仕様で「参照画像・動画拡張・1080p/4k のときは 8秒」と決まっているため、4秒や6秒を選んでいても 8秒として送ります。2〜3秒の短いカットでも8秒ぶん課金され、タイムラインへ置くときに切り落とされます。
Veo 3.1 Lite と Veo 3(非推奨)は参照画像に対応していません。
C. 参照に対応していないモデル — 1コマ目だけ
Veo 3.1 Lite / Veo 3 / MiniMax H3 Max は参照画像を受け取れません。これらを選んだ場合、コマ割りもキャラクターシートも渡されません(渡しても媒体側で弾かれるため、そもそも送りません)。
MiniMax H3 は参照9枚に対応していますが、Seedance と同じく1コマ目と参照は混ぜられません。ただし MiniMax には @Image1 のような名指しの仕組みが無いため、1コマ目の固定は効きにくくなります。1コマ目をきっちり固定したいなら Veo 3.1、手本をたくさん渡したいなら Seedance 2.0 / 2.5 が向いています。
重要
参照画像は「何の手本か」を言葉で言わないと伝わりません。 とくにコマ割り(数コマが1枚に並んだ絵)を黙って渡すと、その絵がそのまま動く動画になります。アプリは必ず役割の一覧と「画面にそのまま映さないでください」をプロンプトへ書き足しますが、絵コンテの説明が空だとこの効きが落ちます。
絵コンテから渡されるもの
絵コンテで「未生成のカットを生成」を押すと、カットごとに次が渡されます。
- 1コマ目 … そのカットの1コマ目の画像(
imageId) - 参照 … コマ割りシート → キャラクターシート(登場人物の順)
枚数がモデルの上限を超えたら、コマ割りを残して後ろから切ります。コマ割りはそのカット自身の手本なので優先されます。
全体感シートは渡しません。 あれは「6カットを1枚に並べた絵」で、カット1本の手本にならないためです(渡すと他のカットの絵まで混ざります)。
使うモデルは絵コンテに保存されるので、次に開いたときも同じモデルが選ばれています。
効果音は動画プロンプトに書く
音つきのモデルは、動画と一緒に音も作ります(環境音・効果音・話し声)。効果音だけを指定するパラメータを持つ社は無いので、鳴らしたい音は動画プロンプトに書きます。書いた音は生成された動画の中に入って返ります(別ファイルでは返りません)。
鳴るのは、書いた音(## 音)と書いたセリフ(## セリフ)だけです。 アプリが送る直前に「書いていない BGM・音楽・効果音・環境音・話し声・ナレーションは入れない/指定が無ければ無音にする」の1文を毎回自動で添えます(音を止めるパラメータは3社とも持たないため、言葉で伝えるしかありません)。この1文はプロンプトには保存されず、送るときだけ付きます。
絵コンテでは、動画プロンプトの末尾に ## 音 の見出しを置き、いつ・どんな音かを1行1音で書きます。
## 音
0:00.6:木製のドアを3回ノックする音(近く・硬い)
0:02.1:斧が幹に食い込む音(遠く・短い反響)
通し:夜の住宅街の環境音(虫の声・遠くの車)
人の声:入れない
| 決まり | なぜ |
|---|---|
| 時刻は「各コマの中身」の行に合わせる | 音は画の出来事に合わせて鳴ります。「ノックする音」とだけ書くと、どの瞬間に鳴るかはAIが決めます |
| 音の質も書く(硬い / くぐもった / 遠い) | 「ドアの音」だけでは自動ドアの音にもなります |
| 1カットに2〜3つまで | 増やすほどどれも埋もれます |
音の要らないカットは ## 音 ごと落としてよい | 書かなかった音は入りません(アプリが「書いた音以外は入れない」と毎回添えます) |
重要
組み立てたタイムラインで鳴らすかは、組み立てのチェック「カットの音を入れる(効果音・環境音)」で決めます。 既定は、歌動画の絵コンテだけ外れていて(主役は曲)、それ以外は入っています。鳴るのは書いた効果音とセリフです(書いていない音は入れないよう毎回指示していますが、生成AIが付けることもあります。要らないカットはワークスペースでミュートできます)。ナレーション型(雑学・対談・VSL)は、動画からも声が出ると読み上げと二重になるので、プロンプトに 人の声:入れない と書いておきます。
モデルの選び方
| やりたいこと | 向いているモデル |
|---|---|
| 登場人物の見た目を全カットで揃えたい | Seedance 2.0 / 2.5、Veo 3.1(参照が使える) |
| 1コマ目をきっちり固定したい | Veo 3.1(1コマ目と参照を併用できる唯一のモデル) |
| 手本をたくさん渡したい | Seedance 2.5(30枚)、Seedance 2.0 / MiniMax H3(9枚) |
| 短いカットを作りたい | Seedance 2.0 / 2.5(4秒から。それより短くしたいときは、組み立てで末尾を切るか絵コンテの秒を詰める) |
| 15秒以上の長いカット | Seedance 2.5(30秒まで) |
| 正方形・縦横比を細かく指定したい | Seedance / MiniMax(Veo は 16:9 と 9:16 のみ) |
| 効果音を入れたい | どのモデルでも入る(音を作らないモデルは使用終了しました)。動画プロンプトの ## 音 に、いつ・どんな音かを書く |
うまくいかないとき
| 症状 | 原因と対処 |
|---|---|
| コマ割りがそのまま動く動画になった | 参照の役割説明が伝わっていない。絵コンテの「コマ割り」の絵が1コマ目の枠に入っていないか確認する |
| 人物の顔がカットごとに変わる | 参照に対応していないモデルを選んでいる。Seedance 2.0 / Veo 3.1 などへ変える |
| 4秒で頼んだのに8秒で作られた | Veo 3.1 で参照画像を使ったため(仕様。上の注意を参照) |
| 「このモデルは参照画像に対応していません」と出た | 参照非対応のモデルを選んでいる。モデルを変えるか、参照なしで作る |
| 「参照画像は N 枚までです」と出た | 登場人物が多くモデルの上限を超えている。モデルを上限の大きいものへ変える |
| 効果音を書いたのに鳴らない | ①組み立ての「カットの音を入れる」が外れている(歌動画では既定で外れます) ②使用終了前の無音モデル(Seedance 1.0 pro / Hailuo 02)で作った古いカット |
| セリフが間延びする・ゆっくり喋る | 頼む尺は書いたセリフより長いのが普通で、生成AIが尺を埋めようとします。送るときに「引き伸ばさず、余ったら無言のまま」と毎回指示していますが、守られないこともあります(絵コンテの「音に合わせて秒を測り直す」でカットの尺を実測へ詰められます) |
| 書いていない BGM・環境音・話し声が鳴る | 「書いた音以外は入れない」は毎回添えていますが、生成AIが守らないことがあります。## 音 に 人の声:入れない BGM:入れない と書き切って、そのカットだけ作り直す |
| 依頼上限(RPM)に達したと出た | 各社の1分あたりの依頼数の上限。待って自動で投げ直すので、そのまま置いておく |
ヒント
生成は数十秒〜数分かかり、ブラウザを閉じたあとに完成することもあります。依頼した時点でカットに記録されるので、次に絵コンテを開けば完成した動画が結び付いています。
関連
- エージェント(AI) … 絵コンテそのものをエージェントに作らせる流れ
- API キーの登録は アカウント連携 → 「動画生成AI(ビデオスタジオ)」 から行います(Veo は画像生成の Google キーがそのまま使えます)。